アドリブ音楽理論(準備編その1)

これから何回かに分けて、自分が勉強して理解した内容をまとめていきたいと思います。
自分の中での整理と復習が目的ですが、同じようなところで悩んでいる人の助けになれば幸いです。

!!注意!!
※これらの内容はレッスンで習ったり、本から学んだことを自分なりに解釈した形で書いています。
なので、レッスンで本来伝えようとしていたことや、正しい音楽理論と異なっていると思います。
特に怪しいところは「?」を付けてあります。あくまで参考程度に見てください!

※これらの内容は「コード進行が与えられた場合に、どう調解釈をしてどうアドリブをするか」
を目的とした理論(理論というより考え方・手順)です。
なので、作曲やアレンジを目的とした理論と異なります。本当に参考程度に見てください!!
ちゃんと理解したい方は私が通っていたこちらのレッスンがおススメです→JAZZ LAB SEED


<準備編その1>

1.キー(調)

 キーはメジャーキーとマイナーキーそれぞれ以下の12キーづつある。

 C、C♯(D♭)、D、D♯(E♭)、E、F、F♯(G♭)、G、G♯(A♭)、A、A♯(B♭)、B

 メジャーキーとマイナーキーを合わせると24個のキーがある。


2.スケール(音階)

 スケールは各12メジャーキーと12マイナーキーそれぞれに以下の4スケールづつある。

 ・メジャーキーのスケール
 (1)ナチュラルメジャースケール  →全・全・半・全・全・全・半
 (2)ハーモニックメジャースケール →全・全・半・全・半・増2度・半
 (3)メロディックメジャースケール →全・全・半・全・半・全・全
 (4)ミクソリディアンスケール   →全・全・半・全・全・半・全

 ・マイナーキーのスケール
 (1)ナチュラルマイナースケール  →全・半・全・全・半・全・全
 (2)ハーモニックマイナースケール →全・半・全・全・半・増2度・半
 (3)メロディックマイナースケール →全・半・全・全・全・全・半
 (4)ドリアンスケール       →全・半・全・全・全・半・全

 ※ミクソリディアンスケールは4度上のキーのナチュラルメジャースケールと、
 ドリアンスケールは長2度下のキーのナチュラルメジャーキーと音が全く同じため、
 本来のキーの調性が弱い。→主キーと一致したキーのときだけ使う(?)


3.ダイアトニックコード

 上の8個のスケール上に出来るダイアトニックコードとその機能
 T(トニック)、D(ドミナント)、SD(サブドミナント)、SDM(サブドミナントマイナー)
(画像はクリックで拡大します)

※空欄の部分は機能がないコードか、機能はあるがそのコードのときにそのスケールを使えない(つかいにくい?)。

—[2015.01.05追記]—
24個全てのキーのスケールとダイアトニックコードの一覧を作成して公開しました。
以下のリンクからダウンロードできます。
スケール・コード一覧.pdf
下の公開時の記事に使い方等も書いてあります。こちらも参照下さい。
「楽曲分析に便利!スケール&ダイアトニックコード一覧を作ったので公開します!」
—[ここまで追記]—

ある1つのキーに属す4つのスケール上のダイアトニックコードを特定のパターンで連結させていくことで、聞いている人にそのキーを感じさせるコード進行ができる。
違和感のないアドリブをするには、コード進行が感じさせるキーと同じキーのスケールを使ってフレーズを作ることが大切。
なので、アドリブの第1段階はコード進行からどのキーを感じるのかを推測をすることから始める。
キーの推測は上のダイアトニックコード一覧と、次に示す「コード進行パターン」を頼りに行っていく。

ちなみに、同じキーの同一機能のコードは、代理コードとして入れ替えることができる。
この場合、コードを入れ替えても、そのコードのキー解釈や使えるスケールは変わらない。
転調時に前のコードからの連結をスムーズにする(ポビットコードとして連結する)ために、
もともとのコードを代理コードに置き換えることがよく行われる。
※ピボットコードについては、次の投稿にて解説予定です。

4.コードからキーを推測するのに使えるコード進行のパターン

(1)ケーデンス(終止形)

同一キー内のコード(同一キー内ならどのスケール上のダイアトニックコードでもOK)を以下の機能パターンで並べると、聞いている人がそのキーを感じる(調の確立を判断できる?)。
これらのパターンをケーデンスという。
曲のコード進行は、このケーデンスのパターンを基本にして作られている。

ケーデンスのパターン
D(9or-9)→T
SD→T
SDM→T
D(9)→D(-9)→T
SD→D(9or-9)→T
SD→SDM→T
SD→D(9)→D(-9)→T
SD→SDM→D(-9)→T

※各機能にあてはめる実際のコードは、同一キー内で該当機能を持つコードなら何でもよい。

※1機能=1コードとは限らず、同じ機能の違うコードが連続する場合もある。

※必ずしもT(トニック)まで行かなくても、2つ以上の機能にわたってこのパターンの通りにコードが連続すればケーデンスの成立と判断する。

※ケーデンスの最後で同主調への転調が起こる場合があるが、その場合でもケーデンスの成立と判断する。

※ケーデンスの最後が偽終止になる場合がある。その場合は正式にはケーデンスは成立してないが、楽曲分析上はケーデンスが成立している場合と同じように考えて判断をする。

<参考>
偽終止とは、ケーデンスのコード進行のうち7thコードからトニックコード(ⅠΔ7 or Ⅰm7)へ終止した場合に使用できるメロディーを使って、7thコードからトニック(ⅠΔ7 or Ⅰm7)以外のコードに無理やり連結させてしまう技法。
7thコードはⅤ7(ドミナント)の場合に限らない。Ⅳ7(サブドミナント)やⅦ♭7(サブドミナントマイナー)の場合でもOK。
連結先に使えるコードは、本来トニックコード(ⅠΔ7 or Ⅰm7)へつながった場合に使用できる音をコードトーンに含むコードに限られるが、それは別キーのコードでも良い。
別キーのコードに連結することで転調の手段として使われることが多い。
(この場合、調が確立したと同時にさらに別のキーへ転調している)

よくある偽終止のパターン(これだけではない)
・Ⅴ7→Ⅵm(トニック代理コード)
・Ⅴ7→Ⅲm(トニック代理コード)
・Ⅴ7→Ⅲ♭Δ
・Ⅴ7→Ⅳm7(Ⅳ7)
・Ⅴ7→Ⅵ♭Δ7
・Ⅴ7→Ⅱ♭Δ7
・Ⅴ7→Ⅶ♭m7
・Ⅴ7→ⅥΔ
・Ⅴ7→ⅢΔ

(2)ケーデンス以外のコード進行パターン

これらのコード進行はケーデンスではないが、キーの推測材料(調の確立判断)として使うことができる。

・T→SD
・T→D(この後トニックへの接続も偽終止もしない場合を半終止という)

※使い方の注意はケーデンスと同じ(?)。



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