おすすめサックス教材【サクソフォーン上達法】(デビッド・リーブマン著)その2・サックスのアンブシュアーについて-シンリップとファットリップ

前回のおすすめサックス教材で取り上げた「おすすめサックス教材【サクソフォーン上達法】(デビッド・リーブマン著)倍音練習の数少ない解説書。サックスの音を良くしたいなら必見の教材です!!」ですが、もう少し書きたいことがあるので<その2>として再度紹介したいと思います。

この本の中で著者は「サクソフォーン奏者が長年にわたって演奏を続け、円熟してくるにつれてマウスピースはより深くへととりつけられることが多くなる」と書いています。

実は私もレッスンに通ってからアンブシュアーの改善に取り組んだのですが、まさにその結果としてマウスピースの取り付け位置が深くなったのです。
このときに行ったアンブシュアーの改善はリードを強く噛みすぎていたのを直したのですが、後でネットを調べてみて、いわるゆよく言われる「シンリップ」から「ファットリップ」に変更したのではないかと思いました。

ネットに書かれていた内容を簡単にまとめると「シンリップ」とは下唇を巻き込んで下の前歯の上にかぶせるようにしてリードをささえる方法で、「ファットリップ」とは下唇を巻き込まずに唇の肉を左右からよせて厚くしてその肉でリードをささえる方法ということです。
そして吹奏楽には「シンリップ」が多くジャズには「ファットリップ」が多いとも書いてありました。

改善前のアンブシュアーが正しい「シンリップ」だったかはわかりませんが、とにかくそれまでの私は下の歯を下唇に強く押し当ててリードを噛むようにして音を出していました。そのため下唇には歯が食い込み長時間吹いていると下唇が痛くなり時には血が出ることもありました。

このようなアンブシュアーで吹いていたときはマウスピースの取り付け位置はかなり浅めでした(その位置で2オクターブめのソ(アルトの場合Bフラット)のチューニングが合う)。

レッスンの先生によれば「サックスはもともとマウスピースを深く取り付けてチューニングが合うように作られていて、よく2オクターブめのレの音が高くなると言われているのはマウスピースを浅く取り付けていることが原因」とのこと。
これも簡単に書くと、マウスピースを楽器メーカーが想定している取り付け位置より浅い位置に取り付けるとその分だけ楽器の管体が長くなり、管体が長くなると全体的に音程が低くなるが、低くなる割合は上の運指の音(シやド)ほど大きくなり(もともと音が鳴る部分の管体が短いのでマウスピースによる管体の伸びの影響が大きい)下の運指の音(レやミ)ほど小さくなる(こちらは逆にもともと音が鳴る部分の管体が長く影響が少ない)ので、真ん中のソでチューニングを合わせると結果としてレやミの音は高くなり、シやドの音は低くなるということです。

確かに私もアンブシュアーを変えてからピッチバランスが良くなったように思います。
(実はそれまで合わない音程を合わせるため、口を動かして無理やり合わせていた)

ちなみにアンブシュアー改善中は音程がヘロヘロになり、とても人前で演奏できる状態ではありませんでした。
私の経験では「シンリップ」と「ファットリップ」では使う筋肉が異なり、「ファットリップ」で使う筋肉がある程度鍛えられないと安定した音程にはならないように思われます。
「シンリップ」では歯で物を噛むときに使うアゴの筋肉を使い、「ファットリップ」では下唇を中心によせる唇まわりの筋肉を使っているように思います。そしてこの唇まわりの筋肉は普段使わないので、始めはうまくリードをささえることが出来ないのだと思います。
筋肉が弱いうちは薄いリードで練習し、筋肉が出来てきたら徐々にリードを厚くしていくのがいいと思います。


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